「ポスティングのエリアはどうやって決めればよいのか」「エリアを絞りすぎたり広げすぎたりして、配布費用を無駄にしないか」と悩む方は少なくありません。
ポスティングのエリアは、ターゲット・商圏範囲・世帯構成や地域特性・競合状況・予算を掛け合わせて決めるのが基本です。ただし、最初から最適な範囲を決め切る必要はなく、配布後の反響を確認しながら段階的に調整していきましょう。
本記事では、エリアを決める基本の5ステップから、絞りすぎ・広げすぎの回避策、業種別のポイント、費用を抑える方法まで解説します。
読み終えるころには、優先して配布したいエリアを自分で整理できるはずです。あわせて、配布業者へ確認すべきポイントや、単独配布より費用を抑えられる方法もわかります。
ポスティングのエリアを決める基本の5ステップ
ポスティングのエリアは、次の5つのステップで順番に絞り込むと、予算と効果のバランスが取れた範囲を決められます。
- ターゲット属性の明確化
- 移動手段からの商圏範囲の把握
- 商圏内の世帯構成・地域特性の確認
- 競合店舗の立地と商圏の重なりの確認
- 予算と配布枚数からの優先エリア決定
ステップ①来店してほしいターゲット属性を明確にする
まずは、「誰にチラシを届け、来てほしいのか」というターゲット属性(年齢層・家族構成・利用目的など)を言語化しましょう。曖昧なままだと絞り込む基準が定まらず、関心のない層への配布で費用対効果や反響率が下がります。
例えば「腰痛や肩こりに悩む30~50代」なら、働く世代が多い地域や、交通アクセスの良い駅周辺など、根拠を持って絞り込めるでしょう。
ステップ②既存客データと移動手段から商圏範囲を把握する
配布エリアは、来店客の移動手段(徒歩・自転車・車)に見合う商圏で設定します。一律の半径(例:一律2km)で決めると、線路や河川などの「商圏バリア」に阻まれ来店しにくいエリアまで配布しかねません。
一般的な目安として、徒歩なら5~10分、自転車や車なら15~20分、さらに広い範囲では、車で約30分以内という三段階で考える方法があります。ただし、実際の商圏は業種や立地、来店頻度などによって異なります。
既存客の来店範囲とも照らし合わせ、地図ツールも活用しましょう。
ステップ③商圏内の世帯構成や地域特性を確認する
商圏を絞り込んだら、その中に自店舗のターゲットとなる人や世帯がどれくらいいるかをデータで確認します。世帯総数が多い地域でも、ターゲットに該当する世帯が少なければ、必ずしも優先エリアとはいえません。
総務省統計局の国勢調査では、人口・世帯・住宅などの統計を小地域単位で確認できます。e-Statの「地図で見る統計(jSTAT MAP)」を使えば、人口・世帯数・年齢構成・住宅形態などを地図上で確認でき、エリア選定の客観的な判断材料として活用できるでしょう。
例えば、学習塾であれば子どものいる世帯が多い地域、戸建て向けサービスであれば住宅形態など、業種に応じて見るデータを変えましょう。
なお「世帯数=配布枚数」ではなく、実際の配布枚数は次のステップで予算とあわせて決めます。
ステップ④競合店舗の立地と商圏の重なりを確認する
商圏内のターゲットや世帯構成を確認したら、近隣にある競合店舗がどこに位置しているのかを特定し、自店舗の商圏とどれくらい重複しているかを把握します。
ターゲット属性や世帯数に合致した魅力的なエリアであっても、競合店舗が多い場合は、自店舗を選んでもらえるだけの違いや強みを訴求できるかがポイントです。
競合の立地は、実店舗の場所を地図上で洗い出したり、サービス内容や強み、自店舗との位置関係を確認したりすると把握しやすくなります。
競合の状況と自社の強みを突き合わせ、訴求しやすいエリアを優先候補として残しましょう。
ステップ⑤予算と配布枚数から優先エリアを決める
候補エリアを整理したら、予算と配布可能枚数を確認し、一致度・来店しやすさ・競合状況をもとに優先順位を決めましょう。例えば2万世帯で1万枚しか配れない場合、ターゲットや既存客が多い地域から配布します。
「とりあえず1万枚」のような決め方ではなく、世帯数と予算を照らし合わせ、エリアマーケティングツール等で町丁目ごとに確認しながら、根拠を持って優先エリアを設定しましょう。
ポスティングエリアは絞りすぎや広げすぎに注意
ポスティングでは、エリアを狭く絞りすぎても、必要以上に広げすぎても、それぞれ別の問題が起こります。
ここでは、両方のケースで起こりやすい失敗と、配布後に見直す方法を見ていきましょう。
エリアを絞りすぎて十分な反響数を確保できないケース
費用対効果を高めようとするあまり、配布エリアやターゲットを狭く絞り込みすぎると、アプローチできる世帯の母数が不足します。
その結果、反響率自体が悪くなくても、必要な問い合わせや来店数を確保できない可能性があります。ターゲットとの一致度だけでなく、一定の配布母数も必要になるためです。
例えば、築年数の浅い特定のマンション群など、極めて限定的な住宅タイプだけに絞ると、配布対象となる世帯数が少なくなりがちです。
どの程度から絞りすぎとなるかは業種・商圏・ターゲット・必要な反響数によって異なるため、一律の距離や世帯数では判断せず、実際の配布結果をもとに見直しましょう。
エリアを広げすぎて配布コストが無駄になるケース
エリアを広げすぎると、自店舗のターゲット外となる世帯への配布が増加します。配布枚数が増えても、その分だけ問い合わせや来店につながるとは限らないため、結果として費用対効果が下がる可能性があります。
徒歩や自転車での来店が中心となる地域密着型の店舗(学習塾や整体院など)を例に考えてみましょう。
「とにかく集客数を増やしたい」と配布範囲を広げても、店舗まで無理なく通える範囲を超えていたり、ターゲットとなる世帯が少ない地域まで含まれていたりすると、反響につながりにくい配布が増えてしまいます。
そのため、単純に枚数を増やすのではなく、「その地域から実際に来店が見込めるか」「ターゲットとなる人や世帯が多いか」を確認したうえで、配布範囲を広げるか判断することが重要です。
配布後の反響を見ながらエリアを調整する
ポスティングで大切なのは、最初のエリア設定を唯一の正解にせず、配布後に得られた反響を確認しながら、段階的にエリアを調整していくことです。
事前のリサーチをどれほど綿密に行っても、実際の反響まで事前に確定できるわけではありません。配布したエリアと反響を記録し、その結果を次回のエリア設定に反映しましょう。
反響が大きかったエリアは、次回も優先して配布する、または隣接エリアへの拡大を検討しましょう。反響が薄かったエリアは、ターゲットとのズレや商圏バリアなどを確認したうえで、次回の配布対象から外す、または優先度を下げるといった見直しを行います。
業種別に見るポスティングエリア選定で重視する条件
ポスティングエリアを選ぶ基本の流れは、ターゲット・商圏・地域特性・競合・予算の順に確認する点で、どの業種でも共通です。
一方で、商圏の広さや重視すべき地域データは、業種によって異なります。
ここでは、整体院・美容室、学習塾、飲食店・小売店の3つの分類を例に、それぞれのポイントを解説します。
整体院や美容室は無理なく通える範囲を優先する
整体院や美容室のようなリピートが見込まれるサービスは、無理なく通えるエリアを優先します。
店舗までの距離や移動手段は、継続して通いやすいかどうかを左右する要素の一つです。
特に、徒歩や自転車で無理なく通える近さは、日常的な利用につながりやすく、リピーター獲得にも有利といえます。ターゲットが無理なく通える範囲に設定しましょう。
学習塾は子育て世帯や学校区を基準に絞り込む
学習塾では、子育て世帯が多い地域や学校区に加え、生徒本人または保護者の送迎で通いやすい範囲を重視します。
国勢調査などの地域データを活用すれば、子どものいる世帯や対象年齢の人口が多い地域を確認できます。あわせて、生徒が徒歩や自転車で通うのか、保護者が車で送迎するのかも確認しましょう。
年齢や交通手段なども踏まえて通塾可能な範囲を検討し、自塾の状況に合わせて配布エリアを決めることが大切です。
飲食店や小売店は生活動線や駅周辺の道路も考慮する
飲食店や小売店は店舗からの距離だけでなく、ターゲットの生活動線や駅周辺、主要道路からのアクセスも確認しましょう。
例えば、駅前の店舗なら通勤・通学時に利用しやすい地域、ロードサイド店舗なら車でアクセスしやすい地域など、立地によって優先したいエリアは変わります。
また、地図上では店舗に近くても、河川・線路・幹線道路などによって実際にはアクセスしにくい地域もあります。ターゲットの主な移動手段や普段の行動範囲を踏まえて、来店につながりやすいエリアを選びましょう。
業者にポスティングのエリア決めを依頼するときに確認したい3つのポイント
ポスティングするエリアは、地域ごとの立地や住民の特徴を理解して決める必要があるため、自分で選定するのが難しいと感じるかもしれません。
その場合、チラシ配布業者にエリア決めから配布まで一貫して依頼する方法があります。
依頼する配布業者を選ぶ際は、「どこまで細かくエリアを指定できるか」「配布できない物件や地域はあるか」「同じエリアへ再配布するか」の3点を確認しておきましょう。
事前に確認しておくと、希望と実際の配布内容のズレを防ぎやすくなります。
町丁目など細かな単位までエリアを指定できるか
配布会社によっては、町丁目など細かな単位まで、エリアを指定・除外できます。
自店舗で決めた優先エリアに沿って配布できるか確認しておくと、見積もりや配布プランの打ち合わせがスムーズになるでしょう。
一般的には、業者が用意する地図を見ながら希望を伝えます。どこまで細かく指定できるか、業者側の仕様を事前に確認しましょう。
投函禁止物件や配布できないエリアの有無
配布エリア内の総世帯数を、そのまま配布枚数と考えないようにしましょう。「オートロックマンション」や「チラシ投函禁止の表示がある建物」など、実際には配布できない物件やエリアがあります。
投函禁止の意思表示がある物件に配布すると、住民からのクレームや、店舗・企業への印象悪化につながる可能性があります。
配布対象外になる可能性がある例は、次の通りです。
- 「チラシ投函禁止」等の意思表示がある物件
- 管理人が常駐してチラシ投函を厳しく制限しているマンション
- オートロック等により配布員が郵便受けへアクセスできない物件
- 配布会社が独自に配布禁止としている物件・地域
禁止エリアを把握したうえで、エリアを決めてくれる業者を選びましょう。
同じエリアへ繰り返し配布する必要性
ポスティングは1回の配布だけでなく、同じエリアへ継続して配布する方法もあります。再配布するかどうかを、初回の反響や集客目的を確認しながら判断してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
同じ地域へ繰り返し配布することで、1回目では行動しなかった人への再接触や認知につながる場合があります。
シェアチラシでは、キックボクシングジムで同じ配布エリアに4ヶ月間継続してポスティングし、合計8名が新規入会した事例を紹介しています。入会した方からは「最近ポストによくチラシが入っているので、気になっていた」という声も寄せられました。
再配布の考え方としては、一定の期間を空けて配布する方法などがあります。効果が出やすいとされる間隔は状況によって異なるため、自店舗の状況に応じて検討するとよいでしょう。
ポスティングエリアを絞り込むほど費用が安くなるとは限らない
エリアを絞り込むほど配布枚数は減るため、総額を抑えられる場合があります。ただし、1枚あたりの料金まで比例して安くなるとは限りません。ポスティング料金は、住宅密度や配布先の指定条件、配布方法などによっても変わるためです。
「狭く配れば安い」「広く配れば高い」と単純に考えないようにしましょう。見積もり時には配布総額だけでなく、1枚あたりの料金や配布条件も確認します。
住宅密度によって1枚あたりの料金は変わる
住宅が密集している地域では、配布員が短時間で多くの世帯へ配布しやすい環境です。
一方、住宅が点在している地域では移動時間が増え、一定時間内に配れる枚数が少なくなるため、配布単価が高くなる場合があります。
そのため、同じ配布枚数でも、地域の住宅密度によって料金が異なります。店舗からの距離や配布範囲の広さだけで料金が決まるわけではありません。
エリアを細かく指定すると配布単価が上がることがある
ポスティング会社によっては、配布枚数が多いほど単価が割安になる料金体系を採用しているため、少部数での依頼は大部数よりも1枚あたりの料金が高くなりがちです。
また、「戸建てだけ」「集合住宅だけ」など、配布先の限定も単価が上がる要因になります。対象物件を確認しながら配る必要があり、全戸配布に比べて効率が落ちるからです。
このように、「配布枚数を半分にすれば費用も必ず半分になる」とは限りません。見積もりの際は、総額だけでなく1枚あたりの単価もあわせて確認しましょう。
費用負担を抑える方法には、配布枚数や指定条件を見直す方法があります。ほかにも、複数店舗でチラシの制作・印刷・配布費用を分担する「シェア型ポスティング」という方法もあるでしょう。
単独配布とは条件が異なるため単純比較は難しいものの、継続的な実施を考えるうえでは有効な選択肢となります。
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自店舗に合うポスティングエリアを決めて反響を見ながら改善しよう
ポスティングのエリアは、ターゲット・商圏範囲・世帯構成や地域特性・競合状況を確認し、予算と配布枚数を踏まえて優先順位を決めます。店舗から近い、世帯数が多いというだけで選ばず、「ターゲットがいるか」「実際に来店できるか」を基準にしましょう。
最初のエリア設定を正解と決めつけず、配布後の反響を見ながら範囲を調整することが大切です。配布会社へ依頼する際は、指定できる単位や対象外の物件、料金の違いも確認しましょう。
まずは既存客の住所や来店方法を確認し、自店舗の商圏を仮設定するところから始めてみてください。商圏や配布エリアの判断に迷う場合や、費用を抑えたい場合は、エリア選定から相談できるシェアチラシも選択肢の一つです。
根拠を持ってエリアを決め、反響を確認しながら見直すことで、自店舗に合う配布方法へ改善していきましょう。